「検討します」と言われた見積を、いつ追いかけますか
フォローの宿題を機械に立てさせて、27件ためた話
見積を出したあと、「検討します」と言われて電話が切れる。ここから先に決まった手順を持っている会社は、あまり多くないと思います。
いま手元に、出したまま返事の来ていない見積が何件あるか。そしてその1件ごとに、出した日が言えるか。片方でも答えられないなら、この記事は役に立つかもしれません。
以前、見積を出した後、誰が追っていますか?で誰がの話を書きました。この記事はその続きで、いつの話です。答えを先に書きます。
追いかけが飛ぶのは忘れっぽさではなく、追う日が誰の予定表にも入っていないからです。そして、宿題を増やしても解けません。
まず自分たちの失敗談から書きます。
宿題を自動で立てて、27件ためた
私たちは営業管理のソフトを作っていて、作っているものを自社でも使っています。失敗はそのまま自分の画面に出ます。
案件の工程を「見積提出済み」に動かすと、その段の宿題を機械のほうから立てる仕掛けがあります。「3営業日後にフォロー連絡する」「14日後にもう一度フォローする」という、期日つきの宿題です。人が忘れるなら機械が覚えていればいい——考え方としては正しいはずでした。
2026年8月29日に自分たちの画面を数えたら、期限を過ぎた宿題が27件たまっていました。 ほとんどが7月に機械が立てたフォローの宿題でした。
赤い「期限切れ」が27行並んだ画面を、毎朝開くとどうなるか。開かなくなります。 そして本当に急ぐ1件が、その27行のどこかに埋もれます。
宿題を増やすやり方は、フォローを増やしませんでした。赤を増やして、赤の意味を薄めただけでした。
いまは、期限を2週間以上過ぎた自動の宿題は「古い自動の宿題」という別の束に畳んで、毎日の一覧から外しています。人が手で書いた宿題は触りません。機械が立てたものは機械が畳む、という線をそこに引きました。
足りないのは意志ではなく、1つの日付
宿題を増やしても解けないなら、何が足りないのか。数えてみると、足りないのは見積を出した日でした。どこにも残っていないのです。
見積は、出した瞬間に「終わった仕事」の顔をします。 図面を読み、拾いを出し、単価を当てて送る。ここまでで数時間から数日かかるので、送信ボタンを押した時点でそれは達成です。達成したものに次の予定を付ける習慣は、なかなか育ちません。
残る記録も、メールの送信済みフォルダだけです。 送信済みは日付順に並びますが、「返事が来ていないもの」では並びません。20通のうちどの3通が返事待ちかは、メールソフトには分かりません。
そして相手の沈黙は、断りと区別できません。 社内で回っているのか、もう他社に決まったのか、こちらからは見えない。だから電話が催促に見えないかが気になって、動きにくくなります。ここがいちばん人を止めます。
効くのは気合いではなく、「出してから何日経ったか」という数字です。 3日なら早すぎる、3週間なら遅い。数字があれば判断できます。できないのは、数字がないときです。
「いつ」は、こちらの都合では決まっていない
では何日後が正解か。「提出から◯日後」と書ければ簡単ですが、私はそれを信じていません。
私の経験では、返事が出るタイミングは相手の側の予定で決まっていました。元請の決裁の回りかた、積算の締め、着工日からの逆算——このどれかに合わせて、相手の中で「決める日」が先に存在しています。こちらの都合と関係なく決まっているので、こちらの都合で日数を決めても当たりません。
これは私が見てきた範囲の話で、業界や取引の形が違えば違うはずです。だから、当てにいくより聞いてしまうほうが早いと思います。
見積を渡すとき、あるいは送ったあとの最初の1本で、質問を1つ足す。
「いつごろお決まりになりそうですか」
催促ではなく、こちらが段取りを組むための質問です。相手も答えやすい。返ってきた答え——「月末の会議で」「着工が11月なので10月中には」——が、追う日を決める根拠になります。その3〜4日前に置けば、催促ではなく、決まる前の最後の一声になります。
追うのは2回に分ける
1回で済ませようとすると、たいてい「遅すぎる1回」になります。
1回目=出した直後の確認。 翌日から3営業日のうちに1本。中身の話はしません。届いているか、書式が相手の様式に合っているか、他に要る資料はないか。この1本は催促に見えません。そしてこの1本で、決まる日を聞けます。
2回目=相手が決める日の直前。 聞けた日があればその3〜4日前。聞けなければ、出してから2週間。ここで初めて「いかがでしょうか」を言います。
1回目の目的は、返事をもらうことではありません。2回目の日付を決めるための電話です。 分けておくと、1回目が気楽にかけられます。
紙でもExcelでもできる形
道具は要りません。見積の台帳に列を2つ足すだけです。提出日(書式を整えて送った日)と、相手が決める日(聞けたら書く。聞けなければ空欄のまま)。
そのうえで、経過日数は列にしないでください。 手で書いた日数は、書いた瞬間から古くなります。Excelなら、提出日の隣に式を1つ。
=IF(A2="", "", TODAY()-A2)
(A2=提出日の欄。まだ出していない行は空欄のままになります)
この形にする理由は協力会社の一覧、何列ありますかに書きました。見ればわかる事実は埋まるけれど、人の判断が要る列は埋まらない。 「提出日」は事実なので埋まります。「経過日数」は腐るので、計算させます。
そして、「相手が決める日」の空欄は表の欠陥ではなく、聞けていないという正しい情報です。 次に電話するとき、聞くことが1つ決まったということです。
紙でやるなら、見積控えの綴りに欄を2つ作るのと同じです。考え方は道具に依存しません。
機械に数えさせる線を、2週間に引いた理由
ここから私たちの道具の話です。
リレーションログの案件には工程があって、「相談あり/要件確認中/見積準備中/見積提出済み/検討中/受注」と並んでいます。工程が「見積提出済み」の案件で、最後に接点を持ってから14日空くと、その会社が「見積後フォロー」としてダッシュボードの先頭に名指しで挙がります。 画面には「見積提出から◯日」と出ますが、数えているのは、その案件で最後にやり取りした日からです。
なぜ14日なのか。理由は消極的です。こちら側が2週間何もしていないなら、相手が決める日がいつであっても、もう一声かけておくべき時期に入っている——それくらいのことしか、記録からは言えないからです。3日では早すぎ、1か月では他社に決まっているかもしれない。催促に見えない範囲のいちばん後ろに置いた線が、2週間でした。
この行に点数はつけていません。出すのは日数という事実だけです。点数の基準は画面の外にあって、後から見た人に意味が伝わらないからです。
地味ですが効いているのがもう1つあります。「最後に接点を持った日」を、手で入力させていません。 その案件に紐づけて記録したやり取りの、いちばん新しい日付を数えて出しています。電話した、訪問した、と記録すれば、それだけで日数が動く。日付を更新するための操作がありません。
「不在だった」「送ったが返信待ち」は、この日数を戻しません。つながっていないのに沈黙が止まったことにするのは、嘘になるからです(「電話したけど不在」を、どこに書いていますか)。
この線が当たらない場合(正直に)
製品は、相手が決める日を知りません。 だから「月末の決裁に間に合わせるなら今日かけてください」とは言えません。言えるのは「この見積は2週間放ったままです」までです。上の台帳で「相手が決める日」を人が書く欄として残したのは、そのためです。機械に推測させると、外れた予定が事実の顔をして表に残ります。
もう1つ。14日という線は、いまのところ設定で変えられません。
明日できること
台帳がある会社も無い会社も、同じ数え方が1回できます。
「いま出したまま返事の来ていない見積は何件で、そのうち提出日が言えるのは何件か」
分子が小さければ、足りないのは気力ではなく提出日の列です。3か月後にもう1回数えて、分子が分母に追いついていれば、追いかけは仕組みになりつつあります。 受注率では測らないでください。相手の事情で動くので、こちらが何を直したのかが読めません。
私たちの道具の話(ここだけ宣伝です)
リレーションログは、いま書いた考え方をそのまま形にした営業管理のソフトです。
商談のメモを貼るとAIが会社・人物・やり取り・案件・やることの候補に分け、確認画面を通してから登録します。勝手には保存しません。記録から経過日数を数えるので、見積を出したまま2週間動いていない案件は、こちらが思い出す前に画面のほうから挙がります。
ただ、この記事の中身は紙でもExcelでも実行できます。 提出日を書く、相手の決め時を聞いて書く、経過日数は計算させる、追うのは2回に分ける。これだけで、道具を変えなくても飛ぶ件数は減ります。道具が要るのは、記録を残す手間そのものを減らしたくなってからで十分です。
関連:見積を出した後、誰が追っていますか?(誰が追うか)/協力会社の一覧、何列ありますか(列の設計)/機能と料金
元請・協力会社との関係を、打ち込まずに残す — 専門工事業向けのページを見る
そのつながりを、資産に変えよう。
リレーションログは14日間、全機能を無料でお試しいただけます。
まずは画面を見るだけでも構いません。
フォームから2分で申し込めます。メールなら [email protected] へ。